マツノギョウレツケムシにならないために・・・
先日、交差点で赤信号だったので、立ち止まっていました。
考え事をしていたので、周りの人が歩き出したのにつられて一歩踏み出しながら、横断歩道の歩行者用信号機を見たら、まだ赤信号でした。
「おっと。危ない」
と思い、踏みとどまったのですが、周りの人たちは、渡ってしまいました。
このように、私たちは、無意識のうちに、他の人の判断につられて行動していることがあります。
隣り合っているラーメン屋のどちらに入ろうか、という時、一方が満員で他方がガラガラだとするならば、満員の方がおいしいだろうという推測をしますよね。
店で「皆さんこれを使っていますよ」と言われると、良い製品のような気がします。
家電店で、「人気NO1」というポップがあると、良い製品のような気がします。
このような心理は、正しい結論に到達するための一つの方法ではありますが、注意しないと、誤った結論に導かれてしまうことがあります。
「完訳 ファーブル昆虫記 第6巻下」(ジャン・アンリ・ファーブル著)に、マツノギョウレツケムシの話があります。
マツノギョウレツケムシは、先頭の毛虫の後ろを一列になってついてゆく習性があります。
何匹かを植木鉢の縁に乗せると、縦に並んだマツノギョウレツケムシは、前のケムシの後ろを追い続け、7日間も植木鉢の縁を回り続けたと言います。
虫と人間は違いますが、私たちも、注意しないと、マツノギョウレツケムシのように、何も考えず、他人の判断に従って行動してしまっているかもしれません。
自分で事実を確認し、自分で考え、自分で判断することが大切ですね。
そして、他人の判断は、あくまで参考程度にとどめておくべきです。
もちろんその他人の知識経験によって参考にする比重が異なってくるでしょう。
医師や弁護士、税理士などの専門家に、専門分野の意見を聞く際には、その意見を最大限参考にすることになると思います。
しかし、そうであったとしても、最終判断を下すのは、自分であり、自己責任であることを認識しなければなりません。
マツノギョウレツケムシにならないために・・・