危険運転致死傷罪に懲役23年!
2007年11月19日
2007年6月23日に、兵庫県尼崎市で、酒を飲んでワゴン車を運転し、歩行者をはねたうえ、タクシーに衝突して計3人を死亡させた事故がありました。
この事故につき、運転者は、危険運転致死罪で起訴されましたが、同事件に対する判決公判が、2007年12月19日に神戸地裁尼崎支部であり、懲役23年の実刑判決が言い渡されました。ちなみに、検察側の求刑は、上限の30年でした。
危険運転過失致死傷罪は、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させたことが必要です。この「正常な運転が困難」であることを検察側が立証しきらなければなりません。
通常、次のような点がポイントなります。
・アルコールの体内保有量(呼気検査など)
・飲酒の量
・飲酒の経緯(目撃者情報)
・飲酒時の酩酊度
・蛇行運転など運転態度
・事故前後の言動やろれつがまわっているか。
・事故前後ふらつかずに立位ないし歩行できたか。
これらの事実を総合的に考えて、「正常な運転が困難」であったかどうかが判断されます。
今回は、その立証がなされたということです。相当飲んだのでしょう。
危険すぎます。
なお、今回のケースは、今後民事訴訟において損害賠償請求をするならば、事故の悪質性が「慰謝料増額事由」になりますので、その点を主張してゆくべきでしょう。
[弁護士がきちんと教える] 交通事故 示談と慰謝料増額 (暮らしの法律 1)