借り主に生命保険? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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借り主に生命保険?

2006年07月15日

消費者金融の大手5社を含む10社が、借り主全員に生命保険をかけて、死亡時の受取人になっていたそうです。金融庁が調査に乗り出しました。

ニュース

この保険について、消費者金融側は、「債務が遺族に残って負担にならないようにするための保険。」と言っているそうです。

そんな目的ではないと思います。そういう目的であれば、契約書の隅にわからないように記載するのではなく、もっとアピールするでしょう。

消費者金融は営利企業です。第一次目的は、債権回収でしょう。債権を回収できれば債務は遺族に残らなくなりますが、それは債権を回収できる反射的効果にすぎません。

自社の株主に説明するときは、当然債権回収を主眼に置いて説明するのではないでしょうか。

私も多重債務者の債務整理や破産申立などの事件をやることがありますが、債務者本人も、遺族もこんな保険のことを知っている人はいませんでした。本人や遺族に知らしむべく、住宅ローンのように契約時に説明をし、意思確認を明確にするべきです。

この制度自体をなくす必要はないと思いますが、生命保険の意思確認は、契約書を別にして意思確認を明確にする、あるいはその意思確認部分だけ別に署名捺印をさせる、など、適切な対応をしていただきたいと思います。