奇跡のリンゴ
「プロフェッショナル仕事の流儀」の「農家 木村秋則の仕事 りんごは愛で育てる」をDVDで観て、おもしろかったので、本「奇跡のリンゴ」も読みました。
リンゴ農家では、害虫や病気対策のため、農薬散布が当然となっており、無農薬でリンゴを育てることは不可能と言われていました。しかし、木村氏は、無農薬、さらには無肥料でのリンゴ栽培に挑戦し、不可能を可能にしました。
その過程では、リンゴの木が全滅寸前になり、木村氏は自殺直前までいくほど追い込まれています。それでも木村氏は最後まであきらめませんでした。
この木村氏の物語を読むと、物事に必ず成功する秘訣があるとするならば、「成功するまで絶対に諦めず、やり抜くこと」ではないか、と感じさせてくれます。
木村氏の言葉
「人間に出来ることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは、木村はよく頑張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。・・・(中略)・・・この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主人公は人間じゃなくてリンゴの木なんだってことが、骨身に染みてわかった。それがわからなかったんだよ。自分がリンゴを作っていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理しているんだとな。私に出来ることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。」(「奇跡のリンゴ」石川拓治著、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班監修、幻冬舎)
木村氏は、長年かかってようやくこのような悟りの境地に達したと言います。この境地は、他のあらゆることにも共通して言えることでしょう。
料理人であれば「主人公は自然がはぐくんだ素材です。私が食べ物を作っているわけではありません。私に出来ることは、素材の持ち味が生かせるようお手伝いをしているだけです。」
親や教育者であれば「私がこの子を管理し、育てているわけではありません。主人公はこの子です。私に出来ることは、この子のお手伝いでしかないんです。」
こんな風に考えてみると、いつも私たちが陥ってしまう自分中心主義から少しだけ抜け出せるかもしれません。
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奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
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