動くな、俺はゲイだ!
東京都渋谷区の地下街で、男子中学生に「おしりにガムが付いている」などと声をかけ、近くのビルの非常階段で、男子中学生の下半身を触るなどした疑いで、男(32)が逮捕されたそうです。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5288340.html
罪名は、強制わいせつ罪。
ニュースによると、容疑者は、「動くな、俺はゲイだ」などと言って脅した、とのことです。
ちょっと、検討してみましょう。
強制わいせつ罪は、13歳以上の男女に対して、暴行または脅迫によってわいせつな行為をした場合に成立します。13歳未満の場合は、暴行脅迫の要件は必要がありません。
本人の意思に反して下半身を触って、もてあそんだような場合には、それ自体が「暴行」と評価されますので、強制わいせつ罪が成立します。痴漢などの場合はこれですね。
しかし、今回、「動くな、俺はゲイだ」などと言って脅した、ということなので、脅迫による強制わいせつ罪、ということなのでしょうか。
強制わいせつ罪にいう「脅迫」というのは、「害悪の告知」をいいます。
「動くな」というのは、害悪ではありませんので、「ゲイだ」が害悪ということになるでしょうか。
確かに、自分より体格の大きな男に、非常階段で「動くな、俺はゲイだ」と言われれば、恐怖を感じるかもしれません。
しかし、これが「動くな、俺はオカマだ」と言われると、少し可愛い感じがします。なぜ、動いてはいけないのか、理由がわかりません。
正しくは「うごいちゃダメよ。私はオカマよ」と言うのかもしれません。
そして、「動くな、俺はニューハーフだ」と言われても、やはり恐怖は感じません。
やはり、「動くな、俺はゲイだ」が一番効くようです。
ちなみに、この害悪の告知は、相手が害悪と認識することが必要です。
ということは、この中学生、「ゲイ」のなんたるかを知っていた、ということなのかもしれません。
私は中学生の時、「ゲイ」の名称を知りませんでした。
今時の中学生、おそるべし、です。