姉死亡で妹に慰謝料
2007年06月03日
水戸市で2002年11月、ダンプカーにひき逃げされて死亡した被害者(当時10歳)の両親と妹が、起こした損害賠償訴訟で、水戸戸地裁が一緒にいて事故を目撃した妹(12歳)にも慰謝料400万円の支払いを命じたとのことです。
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原告代理人は、民法には兄弟姉妹の慰謝料請求権を認める明文規定がなく、認められたのは異例とのコメントを残しています。
民法711条は、「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。 」
ここに兄弟姉妹は入っていないということです。
しかし、交通事故の損害賠償訴訟では、過去、やはり妹に50万円の慰謝料を認めた神戸地裁平成13年8月10日判決や、同居の祖母に慰謝料200万円を認めた大阪地裁平成15年9月24日などがあり、「異例」というほどでもないでしょう。
むしろ、今回の事故は、姉妹で登校中、妹の目の前で起きた事故であり、妹は「『姉を助けられなかった』と自責感情を強く抱き、(事故を突然思い出す)フラッシュバックや強い不安などの症状が現れた」とのことなので、慰謝料も認められやすい事案だったといえるでしょう。
この判決の意義は、むしろ、妹に対する慰謝料額が、両親に対する各200万円を上回る400万円の慰謝料を認めた点にあると言えるでしょう。
それにしても、運転者は、このうような交通事故の悲惨さに思いをいたしたうえで運転していただきたいと思います。