川口園児交通事故提訴
2007年06月24日
2006年9月に川口市で、暴走自動車が園児の列に突っ込み、4人の園児が死亡した事件で、本日(2007年7月24日)、さいたま地裁に損害賠償請求事件を提起しました。
とても痛ましい事件で、刑事記録を読むと、涙が溢れてきます。
損害賠償については、当事務所がご遺族の代理人として担当しています。
通常、交通事故の裁判は、保険会社が適正な金額を示談金として提示してくれないために提訴します。
しかし、今回は違います。そもそも保険会社から、示談金の提示すら受けておりません。
事故当初から、民事については訴訟を前提にしておりました。
尊い命が失われたのですから、賠償金が発生するのは当然のことですが、訴訟以外で損害賠償を解決するには、示談をする必要があります。
しかし、ご遺族としては、最愛の我が子の命を奪った被告と示談、つまり握手をすることは絶対にできないことでした。示談をする際は、「免責証書」というものにサインをしますが、これは、「〇〇円を支払えば、後の責任は免除しますよ」という書類なのです。このような書類にサインなどできないというご遺族の気持ちは是非ご理解いただきたいと思います。
中には「やっぱり金か。」と誤解される方もいるかもしれませんが、そのようなことは断じてありません。ご遺族に対し、この点についてだけは誤解していただきたくありません。
死亡事故は、命の価値が問われる裁判です。代理人である私としては、純粋無垢な幼い命が奪われたことに対し、適正な賠償を求めます。
それが、民事訴訟の代理人である私の使命です。