努力はいつ払うか?
あるところに、一人の若者がいました。
その若者は、農家に生まれ、武士や貴族などの高い身分ではありませんでした。
村の人々は「この暮らしから抜け出すのは難しい」と諦め顔でしたが、若者だけは違っていました。
夜になると、彼は灯りをともし、本を読み、論語を学び、経済の知恵を独学で磨き続けました。すぐに役立つ知識ではありません。お金になる保証もありません。
何の見返りもなく、それでも勉強を続けました。
やがて時代が大きく動きました。
予想もしない幕末から明治へと変わる激動のなかで、この若者は身につけた知識と志を評価され、やがて多くの人に請われて道を拓いていきました。
この若者こそ、後に「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一 です。
彼は500以上の企業の設立に関わり、のちに一万円札の顔にも選ばれるほどの人物となりました。
けれどその原点は、まだ何者でもなかった頃に「報酬を求めずに積み重ねた学び」にあったのです。
もし渋沢栄一が、「もらえる報酬に見合った仕事だけしよう」と行動していたならば、私たちの知る渋沢栄一は存在しなかったでしょう。
しかし彼は、見返りを求めず、学びと行動を積み重ねました。その姿勢が、後に日本を動かす大きな力となったのです。
この昔話が教えてくれるのは、「努力は先払い、報酬は後払い」という真理です。
もちろん、私たちが渋沢栄一になれるわけではありませんが、生き方を学ぶことはできます。
・目の前のタスクを「契約範囲以上」に仕上げる
・短期の成果につながらない学びを続ける
・見返りを前提とせずに、まず自分が与える
「努力は常に先払い」です。
報酬は、先に支払った努力に見合った成果を限度として(保証はない)払われることを肝に銘じておきたいものです。
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