伊達直人は金を出すだけじゃない
2010年12月15日
受験シーズンである。
受験生は、自分の一生をかけ、受験会場に向かう。
一生に一度しかその試験を受けることはできない。
遅刻など厳禁である。
もし、入試に遅刻して合格しなかった場合、自分としては不本意な学校に入学するか、進学を諦めるか、あるいは、さらに1年間浪人をしなければならない。
そのため、入試当日は、十分時間に余裕を持ち、交通機関を調べた上で試験会場に向かう。
しかし、試験会場に向かう交通機関に事故があったら?
その結果、試験に遅刻することになったら?
そんな事件が起こった。
1月15日午前7時20分ごろ、岐阜県高山市国府町の県道で、路線バスと乗用車が衝突した。
バスには、センター試験会場に向かう高校生3人が乗っていたが、事故のため、バスは、運行することができなくなってしまった。
バスには、バス会社の社員が乗っていたが、乗客の中に高校の制服を着た男子2人女子1人が乗っていたことから、センター試験受験生だということを知り、バスを降りて、たまたま現場を通りかかった別の乗用車の若い運転手に、3人を試験会場まで無事送り届けるよう依頼した。
男性は、快く引受け、現場から約10キロ離れた試験会場まで3人を送り届けたという。
良い話である。
自分が、そのたまたま通りかかった車だったら、送り届けるのを引き受けただろうか?
自分の用事で先を急いでいたら?
他人の立場に入り込み、その試験が如何に重要な試験であるかに想像を巡らすことができただろうか?
何にしても、心温まる話である。