星を投げる弁護士になりたい
2011年02月07日
ある男が、海岸線を歩いていると、1人の少年が、砂浜で何かを拾い上げ、しきりに海に投げ込んでいた。
近くに行ってみると、少年は、ヒトデを拾って、海に投げていたのだ。
男が疑問に思い、少年に尋ねた。
「なぜ、ヒトデを海に投げているの?」
少年は答えた。
「波打ち際のヒトデは、朝になって潮がひいてしまうと、死んでしまいます。だから、海に戻してやっているんです」
男は周りを見渡した。すると、波打ち際には、無数にヒトデが波に打ち上げられていた。少年1人が何日かかってもすべてのヒトデを海に投げ込むのは無理だった。
「こんな多くのヒトデを助けることなんてできやしない。そんな無駄なことをしてどうなるんだ!」
少年は、拾い上げたヒトデを見つめてつぶやいた。
「でも、このヒトデにとっては意味があるはずです」
そして、少年は、そのヒトデを海に投げ込み、次のヒトデを拾い上げた。
その様子は、まるで星を海に投げ込んでいるようだった。
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私たち1人1人ができることは限られています。
私は弁護士ですが、仕事をしていて、法律の不条理を感じることもあります。
法律を変えることができればそれに越したことはありませんが、そんな簡単にできるはずもありません。
私たちは、目の前の事件、目の前の依頼者を守るだけです。
私たち弁護士の一つ一つの仕事は、日本や社会全体にとって大した意味のあることではないかもしれません。
しかし、その依頼者にとっては意味のあることです。
そう信じて、また明日から仕事に打ち込みたいと思います。