タクシー賭博
2011年11月13日
東京都世田谷区のタクシー会社の副社長が、会社近くのマンションで、会社のタクシー運転手ばかりを集めて賭けマージャンをさせ、およそ1700万円を得たとして警視庁に逮捕されました。
容疑は、賭博場開帳図利罪(刑法186条2項)です。
賭博場の開帳というのは、自分が主催者となり、その支配下に賭博の場所を開設する行為で、「図利」というのは、利益を図る目的が必要ということです。
つまり、参加者から場所代などを取って、賭博の場所を貸すような行為のことを言います。
法定刑は、3月以上5年以下の懲役です。
ちなみに、参加者は、賭博罪で、50万円以下の罰金です。これが常習になると、3年以下の懲役となります。
賭け麻雀や賭けゴルフは、賭博罪ですが、「一時の娯楽に供する物」にとどまるときは、賭博罪は成立しません。
「一時の娯楽に供する物」とは、一般には、その場で直ちに費消する茶菓や食事等です。
お金を賭けるのは、いくら少額でも賭博になるというのは判例の主流ですが、学説では、一時の娯楽の用に消費される程度の少額の金銭であれば、賭博にならない、と言っています。
ただ、判例の傾向を考えると、いくら少額でも、賭けるのはやめておいた方が無難でしょう。
小学生などの子どものころ、何かあると、「本当だな?じゃあ、お前、命賭けるか?」と本当かどうか確認する手段として命を賭けるようなことを言っていましたが、これは賭博ではありません。
なぜなら、賭博は、「財物」、つまり経済的価値のある物を賭けることが必要ですが、命は、お金でははかることができないからです。