敵を味方にする処世術(フランクリン)
2011年11月22日
フランクリンが、1736年、植民地議会の書記に選ばれたときのことでした。
その年は楽々当選したのですが、翌年は苦戦した末に当選しました。
苦戦したのは、1人の新議員が、他の候補者を支持し、フランクリンの反対演説をしたりしたためでした。
フランクリンは、この新議員を面白く思わなかったのですが、攻撃したり、卑屈に取り入ろうとはしませんでした。
しかし、次のような方法で、フランクリンは、この新議員の好意を獲得しました。
この新議員が珍しい本を持っていたので、フランクリンは、この新議員にぜひその本を貸してくれないか、と手紙を書いたところ、その新議員は、本を送ってくれたそうです。
そこで、フランクリンは、その本を読んで一週間後に返却し、あわせて心からの感謝をこめた礼状を添えたそうです。
すると、次の議会で新議員に会うと、彼はきわめて丁重に声をかけてくれ、その後は、あらゆる機会にフランクリンに声をかけてくれるようになり、2人は無二の親友となったそうです。
フランクリンは、古い処世訓
「一度親切にしてくれた人は、こちらが親切にしてやった人よりも、向こうからまた親切にしてくれる」
を実践したのです。
フランクリンが新議員に腹を立てて仕返しをしたり、敵意ある態度をとっていたら、とてもこのようにはならなかったでしょう。
そして、結果的に、どちらが得かは、火を見るよりも明らかでしょう。
人は、頼み事をされて、それをかなえてやった時に感謝されると、自尊心が満足します。そして、自尊心が満足することによって、相手に好意を持つことになります。
敵意を持つ前に頼み事をしてみましょう。仕返しをする前に、感謝をしてみましょう。