迷惑電話は犯罪です
東京都千代田区にある法律事務所に迷惑電話をかけまくった女が逮捕されたという報道がありました。
「東京都千代田区にある法律事務所??」
安心してください、私の法律事務所ではありません。
それにしても何が原因、問題だったのでしょうか?
「法律事務所に迷惑電話300回超 35歳女を逮捕」(2016年4月14日 テレビ朝日)
警視庁は、東京都千代田区にある法律事務所に300回以上も執拗に迷惑電話をかけて業務を妨害したとして、35歳の女を逮捕しました。
以前、勤務していた大手通信会社で、容疑者の女が上司からパワハラを受けたと会社に訴えたところ、調査を担当した法律事務所は「パワハラはなかった」とする報告書をまとめていたようです。
その後、女は2014年2月に会社を退社。
今年の3月4日から9日にかけて、「死んでしまえ」などの電話や無言電話を計約330回、法律事務所にかけていたということです。
取り調べに対し、「真偽を問うために電話したのであって、業務妨害ではない」と容疑を否認しているということです。
罪名は報道されていませんが、過去の判例で、中華料理店に3ヶ月足らずの間に約970回にわたって無言電話をかけた事例で「偽計業務妨害罪」を認めた判例があるので(東京高裁昭和48年8月7日判決)、おそらくは、「偽計業務妨害罪」でしょう。
「刑法」
第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
ちなみに、偽計とは人をあざむく計略のことです。
詳しい解説はこちら⇒「いたずらが犯罪になる場合とは?」
https://taniharamakoto.com/archives/1405
「ウソの注文をすると犯罪になります。」
https://taniharamakoto.com/archives/1957
なお、いたずら電話であれば、「軽犯罪法」の第1条31号の「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」が適用される可能性もありますが、今回のように300回以上も迷惑電話をかけて、「死んでしまえ」という暴言を浴びせたことから考えれば、これはとても“いたずら”とはいえない脅迫行為であると判断されてしかるべき、といえます。
よりによって法律事務所に迷惑電話をかけたとは、相手が悪かったといえるでしょう。
すぐに証拠化して、刑事告訴されてしまいます。
こうした迷惑電話で困っている場合には、まず、証拠化します。
電話がかかってくるたびに、日時、電話の内容をメモします。録音ができるなら、録音します。この証拠が重要です。
その証拠がある程度の数になったら、刑事告訴をします。
刑事告訴の仕方がわからない、という時は、弁護士に依頼して行うとよいでしょう。
相談はこちらから⇒ http://www.bengoshi-sos.com/about/0903/