運転中の携帯電話で逮捕ですかっ!?
世の中、便利になるのはいいことですが、そのうち便利さゆえの問題が生じて、結局は法律で取り締まらなければならなくなる…そんな残念なことが社会のさまざまな場面で見受けられます。
携帯電話やスマホもそうですね。
広く普及している現在では、その使い方やシチュエーションで問題が起きることがあります。
そこで今回は、携帯電話を使いながらやってしまったことで逮捕された、という事件を解説します。
一体、何をしてしまったのでしょうか?
「運転中に携帯電話容疑 反則金未納で女逮捕/浦和署」(2015年5月7日 埼玉新聞)
埼玉県警運転管理課と浦和署は、道交法違反(携帯電話使用等)の疑いで、越谷市の女(40)を逮捕しました。
そもそもは2012年9月、さいたま市の県道で携帯電話の画面を注視しながら自動車運転をしていたことによる違反なのですが、女は反則金を支払わず、同署が通知書を郵送するなど複数回出頭を要請していたにもかかわらず、応じなかったということで今回の逮捕となったようです。
容疑者の女は、「収入がなくて納付できなかった」と供述しているということです。
収入がなくても、3年近くも自動車には乗ることができたということでしょうか?
ガソリン代は、どうしていたのでしょうか?
それはさておき、早速、条文を見てみましょう。
「道路交通法」
第71条5の5(運転者の遵守事項)
自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。
これに違反し、道路における交通の危険を生じさせた者は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処されます。(第119条9の3)
念のため、ここで禁止されているのは手を使って送受信する無線通話装置(携帯電話等)であり、傷病者の救護や公共の安全の維持のため走行中に緊急で、やむを得ずに使う場合は除外されていることは覚えておいてください。
ところで、「携帯電話を使いながら自動車運転しただけで逮捕とはおおげさじゃないか?」
と思った人もいるかもしれませんが、通常は、いきなり逮捕とはなりません。
今回のように出頭要請を無視し続けていると逮捕ということになります。
また、仮に罰金を支払えない場合は、金額分の労役を日数で科されますから注意が必要です。
たとえば、5万円の罰金なら拘置所で10日間の労役というのが通常です。
ともかく、警察から被疑者として出頭要請された場合は、素直に出頭しなければならないということです。
ちなみに、これは自転車の場合でも同じです。
道路交通法第71条6号に基づき、各自治体が「道路交通規則」を定めていますが、ちなみに、東京都道路交通規則では、携帯電話・メールをしながらの運転が禁止されています。
違反した場合は5万円以下の罰金です。
とにかく、便利だからといって携帯電話やスマホを使いながらの自動車運転は、たとえ交通違反の点数は2点だとしても大変危険ですし、法律で禁止されているわけですから、やってはいけません。
「注意一秒、ケガ一生」の標語は自分のためだけではありません、周りの人のためでもあります。
肝に銘じておきましょう。