橋下弁護士に懲戒処分 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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橋下弁護士に懲戒処分

2010年09月18日

橋下弁護士(大阪府知事)に、大阪弁護士会から、業務停止2ヶ月の懲戒処分が下されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100917-00000004-maip-soci

弁護士法によって、弁護士会は、弁護士に対して懲戒権を持っています。
この懲戒権により、非行などを行った弁護士は、「戒告」や「業務停止」「退会命令」等の処分を下されることになります。

橋下弁護士は知事就任前の2007年5月、テレビ番組で光市の母子殺害事件の被告弁護団を批判し、「許せないって思うんだったら、弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたいんですよ」などと発言しました。

その結果、弁護団に対し7900件を超える懲戒請求が弁護士会に届いたとのことです。この懲戒を求める行為が、「品位を害する行為に該当する」と判断されました。

橋下弁護士は、「北新地に行けば、品位のない弁護士は山ほどいる」と不満をまくしたてたそうです。おそらく飲み屋での品位のなさのことを言っているのでしょうが、飲みに行くのは弁護士としての資格で行っているわけではないので、少しずれている気がします。

橋下弁護士が懲戒を呼びかけた行為については、懲戒請求された弁護士側から民事の損害賠償訴訟も申し立てられていました。

1審の広島地裁では、橋下弁護士に、800万円の損害賠償の支払いを命じ、2審の広島高裁は、360万円の支払いを命じています。

ちなみに、虚偽の懲戒請求の申立をすると、虚偽告訴罪が成立します。犯罪にもなり得るのです。

刑法172条
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する。

したがって、やたらに懲戒を申し立ててよいわけではありません。

懲戒が相当だと思う時に、自分で懲戒を申し立てるのはいいですが、多数の者に懲戒申立を勧誘し、煽動するのはいただけませんね。