裁判官の押印がない逮捕状 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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裁判官の押印がない逮捕状

2005年02月08日

大阪、堺各簡裁で1月、裁判官が押印を忘れたまま逮捕状を発付するミスが2件相次いでいたそうです。(記事)
 
昨日、同期の弁護士や裁判官らの食事をしたのですが、やはり話題になりました。裁判官からすると、考えられないミスだそうです。何らかの処分を受けるでしょう。
 
裁判官の押印の逮捕状は無効なので、逮捕も無効です。無効な逮捕状に基づく勾留状も無効です。したがって、被疑者は、一旦釈放されましたが、また裁判官の押印のある逮捕状で再度逮捕されたそうです。こういう場合、予め逮捕状を取っておいて、釈放と同時に逮捕する扱いをしていると思うので、今回も一瞬だけ釈放だったのではないかと思います。
 
無効な逮捕状で逮捕された被疑者は、国家賠償請求をすることができますが、認められてもわずかな金額です。
 
責任が重大な仕事は、日常のわずかなことにも気が抜けないものだと思いました。