出会い系サイトの「サクラ」がバレた? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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出会い系サイトの「サクラ」がバレた?

2011年07月23日


出会い系サイトでの「サクラ」は、違法であり、サイト利用料その他約597万円を支払え。

そんな判決が、さいたま地裁で出されました。

訴えたのは、埼玉県春日部市の女性(31)。

この女性は、約1年4ヶ月で、この出会い系サイトに対し、543万6000円を支払ったそうです。

女性は、出会い系サイト上で、会員になりすました「サクラ」と頻繁にメールをやりとりし、そのメールのやりとりの都度課金されることにより、約1年4ヶ月で約543万円を支払ったそうです。

判決では、「交信相手が直接のやりとりに応じずサイト上でのやりとりを求め、ポイントの追加購入に動いたことは、サクラであることを示している」と指摘。その上で「高額なサイト利用料を徴収した点などから違法行為に当たる」と認定しました。

http://tinyurl.com/3zmprn7

女性は、メールをやりとりしているのが会員である男性で、その男性との出会いを求めて出会い系サイトを利用しています。

ところが、相手をしている男性は、会員になりすました「サクラ」だったとするならば、会員である女性を騙していることになります。

相手の男性が会員ではなく「サクラ」だと知っていれば、決してお金を払わないでしょう。その意味で、詐欺的な行為であると言え、返還請求が可能となります。

なお、出会い系サイト側は控訴したそうですので、まだ確定したわけではありません。

ところで、実演販売等でも「サクラ」がいて、拍手をしたり、買うふりをして客の購買行動を後押しすることがありますが、この「サクラ」も違法でしょうか。

この場合も、確かに他の客にしてみれば、「ああ、他の人が感動して拍手してるし、良い商品だと思って買っている。きっと良い商品に違いない」と誤解を生じさせるという意味では騙していると言えるでしょう。

しかし、いくら他の人が評価したと言っても、買うかどうかを決めるのは、あくまで本人。「サクラ」は購買行動を後押ししたに過ぎません。

「サクラが拍手したり、買うふりをしたりしなければ、決して買わなかった」とは言えないでしょう。

実演販売で「サクラ」を使うことは、販売方法としては不適切だと思いますが、法的に返還請求ができるか、と言えば、難しいのではないかと思います。