キツネと肉まんの物語 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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キツネと肉まんの物語

2011年09月09日

シロクマ君は、朝、その日の食事を買い出ししようと街の市場に出掛けていった。ファーファ

どこの店も開いていたが、とりあえずタヌキ君の店に行ってみると、肉まんがたくさんあった。中華まん・肉まん

シロクマ君が値段を尋ねると、タヌキ君は、「500円だよ」と言った。たぬき

シロクマ君はビックリした。

普段は、100円で売っている肉まんだったのだ。

シロクマ君は「そんな値段じゃ買えないよ。100円で売ってくれよ」と言った。

タヌキ君は、「実は、父親の借金の返済をしないといけないから、お金がいるんだ。100円で売っていたら、足りないんだよ」と答えた。

シロクマ君は、「100円だったら買ってもいいけど、500円と言い張るなら、ウサギ君の店で買うことにするよ」と言った。

タヌキ君は、その日、まだ肉まんが売れていなかった。100円ではお金は足りないが、ここでシロクマ君を逃すよりも、買ってもらって少しでもお金を稼いだ方が得ではないか、と思った。

そこで、タヌキ君は、シロクマ君に100円で肉まんを売った。

キツネ君は、その日、朝から何も食べていなかった。狐お面

夕方、どうしようもなくお腹がすいたので、街の市場に出掛けていった。

すでに遅い時間だったので、ほとんどの店は閉まっていたが、タヌキ君の店だけが開いていた。

早速、タヌキ君も店に行ってみると、肉まんが1つだけ残っていた。中華まん・肉まん

キツネ君が値段を尋ねると、タヌキ君は、「500円だよ」と言った。

キツネ君は、ビックリした。

普段は、100円で売っている肉まんだったのだ。

しかし、キツネ君は、お腹がすいて、どうしようもなかったので、「どうしても肉まんが欲しいんだ。100円で売ってくれよ」と懇願した。

しかし、タヌキ君は、「ダメダメ。最後の肉まんなんだよ。500円出すなら売ってあげるよ」と言ってきかない。

キツネ君は周囲を見渡したが、どこの店も閉まっていて、開いているのは、やはりタヌキ君の店しかなかった。

キツネ君は、どうしてもその肉まんが欲しかったので、500円払って肉まんを買って大事そうに食べた。

この話からわかることは、交渉をするときには、「絶対にこの交渉を決裂させたくない」と、強く思えば思うほど、交渉力は弱くなる、ということだ。

キツネ君は、どうしても肉まんが欲しかったがゆえに、譲歩せざるを得なくなり、500円で肉まんを買ってしまった。

しかし、シロクマ君は、別の店でも食べ物を買うことができたので、交渉が決裂しても構わない立場だった。

だから、譲歩する必要がなかった。

このように、交渉するときには、「交渉が決裂した時の代替措置」を準備しておくことが重要だ。

そうすれば、強い立場で交渉することができるだろう。