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馬(ポニー)が渋谷の道路を走った件。犯罪?

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2016年12月16日

今回は、馬が渋谷の街を爆走!? という「事件」について法律解説します。

映画やTVドラマのロケではないようです。
一体、何が起きたのでしょうか?

「“道路をポニーが走っている” 渋谷でミニチュアホース脱走…捕獲、けが人なし」(2016年12月16日 産経ニュース)

事件が起きたのは、12月15日午後7時頃。

東京都渋谷区のJR恵比寿駅近くで、複数の通行人から「ポニーが道路を走っている」との110番通報があり、渋谷署の警察官が捜索したところ、約15分後に駅から1キロ離れた国学院大学渋谷キャンパス内で発見され、捕獲されたということです。

報道によると、街を疾走したポニーは3歳で、体高約1.2メートルのオスのミニチュアホース。
渋谷区内のペットショップのおりから逃げ出したようで、連絡を受けた店員が連れて帰ったということです。

発見時、ミニチュアホースはおとなしく草を食べており、ケガ人はいなかったということです。

彼も自由になりたかったのでしょうか? 気持ちはわかります。
何はともあれ、ケガ人も逮捕者もいなかったのでよかったですね。

今回は以上です。
というわけにはいきませんね、法律解説します!

じつは、動物の逃走に関する法律もちゃんとあります。

まずは、条文を見てみましょう。

「軽犯罪法」
第1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

三十 人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は馬若しくは牛を驚かせて逃げ走らせた者

※拘留=受刑者を1日以上30日未満で刑事施設に収容する刑罰
科料=1000円以上、1万円未満の金銭を強制的に徴収する刑罰

軽犯罪法は、軽微な33の秩序違反行為について規定しているもので、もともとは1908(明治41)年に施行された「警察犯処罰令」が前身の法律です。

警察犯処罰令は、1948(昭和23)年に軽犯罪法が施行されたのに伴って廃止されています。

さて、条文にあるように、この罪でポイントとなるのは次の3点です。

①犬やその他の動物とは?
②けしかけるとは?
③馬や牛を驚かせるとは?

まず、どんな動物が該当するのかというと、前段に犬その他の動物とあるように特に種類は限定されません。

「けしかける」とは、相手をおだてたり、そそのかしたりして自分の思う通りのことをさせる、あるいは相手を攻撃させるという意味です。

つまり、どんな動物でも、けしかけることで人や家畜に危害を及ぼすのであれば、けしかけた人が罪に問われるわけです。

たとえば、自分が飼っている犬をけしかけて人や他の飼い犬などを襲わせた場合などが該当します。

ところで、条文の後段に「馬若しくは牛を驚かせて逃げ走らせた者」とあります。

馬や牛は、通常は人間に危害を加えるような動物ではありませんが、特に馬などは敏感で臆病なため、棒などで突く、大声をあげる、物を投げて当てるなどして驚かせれば、当然、逃げて走り出し危険な状態になってしまうでしょう。

今回の事件は、この後段に該当する可能性があったわけですが、ケガ人はいなく、警察官に見つかった時はおとなしく草を食べていたということで、ペットショップで驚かされたり、虐待されたという事実もないようなので、お咎めなしということになったのだと思います。

仮に、ミニチュアホースが暴れて人にケガをさせた場合、飼い主は「過失傷害罪」(刑法第209条)、死亡させてしまえば「過失致死罪」(刑法第210条)に問われる可能性があります。
ペットショップのように業務上の過失であれば、「業務上過失致死傷罪」(刑法第211条)に問われる可能性もあります。
馬に罪はないでしょうし、今回は大事に至らなくてよかったですが、いずれにしても、飼い犬のリードは離さない、飼い馬の手綱はしっかり握っておくことが大切です。

世の奥様方であれば、旦那の手綱はキュッと締めて、財布のひももしっかり締めておけば完璧でしょう。

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