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クレーン車事故に懲役7年判決

 >クレーン車事故に懲役7年判決

2011年11月24日


宇都宮地方裁判所は、栃木県鹿沼市で4月、クレーン車が歩道に突っ込み小学生6人が死亡した事故で、自動車運転過失致死罪に問われた男性(26)に対し、12月19日、懲役7年の判決を言い渡しました。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011121900020&rel=y&g=soc

罪名は、自動車運転過失致死罪で、法定刑の上限が7年以下の懲役となっているので、上限の刑ということになります。

被告人にはてんかんの持病があり、医師から運転しないように指導されていたにもかかわらず、事故前日に薬の服用を怠り、運転をした、ということです。

この事件については、過去にも記事を書いています。
http://ameblo.jp/mtanihara/entry-10869223325.html

小学生6人の命を一瞬で奪った行為に対して懲役7年の判決しか出せないということについては、賛否両論あるところだと思いますが、親はやりきれない気持ちでしょう。

自動車事故についての犯罪では、もっと重いものに、危険運転致死傷罪があります。

これは、次の要件を満たす事故を対象としています。

1)アルコール・薬物の影響により正常な運転が困難な状態で走行
2)進行を制御することが困難高速度で走行

3)進行を制御する技能を有しないで走行

4)人又は車の通行を妨害する目的で走行中の自動車の直前に進入その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転
5)赤色信号等を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転

今回のクレーン車の事故は、上記要件を満たしません。仮に、危険運転致死傷罪になると、その法定刑は、傷害の場合には懲役15年以下、死亡の場合には20年以下の懲役ですから、自動車運転過失致死傷罪の法廷刑よりも格段に重い処罰となっています。

今回のクレーン車の事故で尊い命を失った小学生のご遺族が、危険運転致死傷罪の改正などを求めて、署名活動を開始したそうです。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/kanuma_traffic_accident/?1324606974

自動車運転過失致死傷罪も、危険運転致死傷罪も、ご遺族の署名活動が一つの契機になって改正が実現しています。

埼玉県川口市で園児4人が死亡した交通事故では、業務上過失致死罪しかなく、懲役5年でした。

その後、自動車運転過失致死傷罪ができましたが、今回6人が死亡し、懲役7年です。

1つの事故で、多人数が死亡した場合の処罰の仕方については、今一度検討の必要があるかもしれません。

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