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落とし物に関する法律~遺失物法

 >落とし物に関する法律~遺失物法

2014年8月25日

道端で10円や100円の硬貨を拾うことがあります。

子供の頃、それを交番に届けて警察官から「偉いな」、などとほめられたことがある人もいるでしょう。
何か、いいことをした気分になったものです。

ところが、それが高額なお金だった場合、さぁどうするでしょう?
・まずは、びっくりして驚く
・「どっきり」じゃないかと疑う
・手にとってニセ札じゃないか確認してみる
・怖くなって、その場から立ち去る
・とりあえず、警察に届ける
・あたりを見回して、そっとポケットに入れる

あなたなら、どうしますか?

そんな事件が起きました。

「電話ボックスに100万円 茨城・小美玉市のスーパー」(2014年8月19日 産経新聞)

茨城県小美玉市内のスーパー敷地内にある電話ボックスから、現金100万円が見つかり、石岡署は拾得物として持ち主を捜しているということです。

報道によると、11日午前8:30頃、開店前の清掃作業をしていた従業員が発見。
翌日、報告を受けた店長が110番通報をしたようです。

落とした人が取りに来ることを想定して1日待って翌日届けたのだと思いますが、できれば当日届けたいところです。
ところで、子供の頃、親や教師からこんなことを言われた記憶はないでしょうか?
「お金や物を拾ったら交番に届けましょう」
「拾ったお金の1割は拾った人がもらえる」
「持ち主が現れない場合は、拾った人のものになる」

それでは、これらの話の法的根拠を解説していきます。

日本には、「遺失物法」という法律があります。
これは、1899(明治32)年に公布され、その後、2006(平成18)年に表記を現代用語化する目的で全部改正されました。

【拾得者の義務とは】
「遺失物法」
第4条(拾得者の義務)
1.拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
落としものを拾った人は、「速やかに」持ち主に返却するか、警察に届けなければいけないということです。
これに違反すると犯罪になります。

「刑法」
第254条(遺失物等横領)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

【報労金とは】
「遺失物法」
第28条(報労金)
1.物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定に より売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
つまり、100万円を拾って警察に届け出て、その後に落とし主が見つかった場合、落とし主は拾った人に対して報労金として5%(5万円)以上、20%(20万円)以下を支払わなければいけないわけです。

これは、落とし主がどの程度支払うかを決めるわけですが、争いになった場合には、裁判所が決めることになります。

なお、報労金は遺失者(落とし主)に返還された後、1ヵ月を過ぎると請求できなくなります。(「遺失物法」第29条)

【遺失物の所有権とは】
「民法」
第240条(遺失物の拾得)
遺失物は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の定めるところに従い公告をした後3ヵ月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。
「遺失物法」の改正前は保管期間が6ヵ月でしたが、現在は3ヵ月経ても落とし主が現れなければ、拾った人のものになります。

ちなみに、拾い主による落とし物の引取り期間は権利が発生してから2ヵ月間となっています。
古い話ですが、バブルの頃の1989(平成1)年、川崎市の竹やぶでカバンに入った1億4500万円が見つかった事件がありました。

その後さらに、9000万円が発見され、後に某通販会社社長が名乗り出て返還されましたが、脱税したお金の処理に困った末に捨てたものだとわかったというものでした。

お金をわざと捨てる人がいるのか、と、ニュースで知った時は驚きました。L(゚□゚)」オーマイガッ!

このケースはわざと捨てたものでしたが、今回の100万円のケースは、落としてしまったものと推測されます。

ニュースを観て、早く取り戻せるといいですね!

大切な物を落とさない秘訣は、第一に身につけてしまうこと、第二にいつも持ち歩くカバンと別なもの(紙袋など)に入れないこと、です。

落とし物をすると、精神的なショックが大きいので、くれぐれも気をつけたいものです。

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