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「いじめ」の「罪と罰」

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2013年12月29日

タレントのビートたけしさんの新刊『ヒンシュクの達人』(小学館新書)の中に「犯罪」や「表現」についての持論が書かれている箇所があります。一部引用してみます。

<運動部のシゴキに限らず、「いじめ」って言葉を聞かない日はないけど、この言葉の響きが本質を見誤らせてるんだよな。弱い同級生を殴ったとか、恐喝してカネを奪って、ついには自殺に追い込んじまったなんて、これはもう「いじめ」じゃなくて「犯罪」だろうよ。「暴行罪」「脅迫罪」「恐喝罪」と、ホントの罪状で呼んでやらないと>

<これは「犯罪だ」ってことをガキの足りない頭でもわかるようにしてやんないと、また同じことが起こっちまうぜ>

たけしさんらしい過激な表現もありますが、私も法律家、表現者としてこれは一理あると感じる部分もあります。

小学生が同級生を殴って怪我をさせた場合を考えてみましょう。

「子供の喧嘩」「いじめ」で済まされる場合も多いでしょう。

しかし、大人だったら、どうでしょうか?

被害者が警察に駆け込めば「傷害罪」です。逮捕され、前科がつくかもしれません。

それを「いじめ」とひとくくりにしてしまった瞬間、犯罪臭が消え去り、学校内で解決すべき問題となってしまいます。

会社の飲み会で、上司が部下の女性に抱きついたり、キスしたりしたら、「セクハラ」と言われます。

しかし、道端でこれをやったら、「強制わいせつ罪」になりかねません。

いずれも女性の意思を無視して無理矢理していることに変わりありません。

「セクハラ」と言った途端、やはり犯罪臭がなくなってしまい、社内の問題となってしまいます。

「パワハラ」で、殴るなどは「暴行罪」や「傷害罪」。精神的に追い詰めて精神障害を起こさせることは、場合によっては「傷害罪」になります。

DV(ドメスティックバイオレンス)もそう。

家庭内の問題ではなく、「暴行罪」「傷害罪」です。実際、逮捕事例もニュースになっています。

報道や表現する側としては、あるネーミングを使うことで、刺激的な表現を回避して、包括して意味を伝えることができるメリットがあります。

その方が読者や視聴者の興味をひきやすい、というメリットもあるでしょう。

もちろん、被行為者の精神的苦痛への配慮という面もありますが、罪状をぼやかし、場合によっては婉曲表現することで行為者に犯罪という自覚がなくなってしまう恐れもあります。

また、読む者、聴く者も、犯罪という印象がなくなってしまう恐れがあります。

ネーミングを使うことは便利ですが、法律の一線の超えた場合には、正式な犯罪名で呼び、行為者、被害者、周りの人の自覚を促すことも大切ではないか、と思います。

そのような小さなことも法を日本の社会の隅々の浸透させる一助となるのではないか、と思います。

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