同一人に給与と外注費 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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同一人に給与と外注費

2022年06月17日

今回は、【税理士を守る会】でされた質疑応答をご紹介します。

(質問)

顧問先の業務で、定型的な業務と、時間が散発的で業務時間外にも発生する流動的な業務があります。

そこで、1人の社員と定型的な業務については雇用契約を、流動的な業務について業務委託契約を締結したいと考えていますが、法律上可能でしょうか。

(回答)

当該社員をAとし、使用者を会社と仮定します。

雇用契約の場合、Aは会社の指揮監督下にあり、業務委託契約の場合、Aは会社から独立しており、仕事の諾否の自由を有しています。

この2つは二者択一であり、指揮監督下にありながら、独立している、ということはありえません。

したがって、たとえば、Aの雇用契約における勤務時間が9時~17時である場合、この時間内に業務委託契約上の仕事が発生することはありえません。

流動的な業務が勤務時間外である場合には、理論的には可能ですが、運用が非常に難しいです。

なぜならその業務については、Aは会社から空間的時間的支配を受けず、指揮命令から解放されており、業務を受けるかどうかは自由であり、業務に対する危険と責任を負担する、という性質を持っており、A及び会社双方がその認識のもとに業務を行うことは難しいためです。

なお、同一人に給与と外注費を支給することを認めたかのように誤解されることがある国税不服審判所平成29年2月9日裁決がありますが、これは外注費部分についてしか国税不服審判所の判断はされておらず、給与部分については判断されていないので、参考になりません。

また、所得税通達204-22で保険外交員について給与所得と事業所得の両方を認めるものがありますが、これはそもそも外交員等については、給与所得か事業所得か判断するのが難しいケースが多いために租税職員が現場で判断できるよう判断基準を決めておく、という趣旨から例外的に定められたものと解されます。

それ以外については、上記の結論になると考えます。

「税理士を守る会」は、こちら
https://myhoumu.jp/zeiprotect/new/