消費税の税賠で税理士勝訴・東京地裁平成15年5月21日判決 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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消費税の税賠で税理士勝訴・東京地裁平成15年5月21日判決

2021年11月25日

今回は、消費税に関する税理士損害賠償で税理士が勝訴した東京地裁平成15年5月21日判決(TAINS Z999-0069)をご紹介します。

(事案)

・原告会社はその所有する賃貸用ビルの建て替えを行った。

・顧問契約を締結していた公認会計士は、「課税事業者選択届出書」を提出しなかった。

・原告会社は、公認会計士が、当該届出書を提出していれば消費税の還付を受けられたはずだとしての債務不履行に基づき損害賠償を請求した。

(判決)

・本件顧問契約は、公認会計士である被告の専門的な資格に基づく事務処理を目的としたものではあるが、被告の主張するとおり、原告の法人税・事業税の確定申告及びその前提となる決算処理を目的としたものであった。

・原告から関係する資料の提供を受けてその選択の適否についてまで相談を受けたという場合であれば格別、各事業年度の決算処理及び確定申告に係る事務処理をもっぱら目的とした本件顧問契約が締結されていたにとどまる本件事案においては、被告が、原告に対し、進んで課税事業者となるよう指示し、必要な資料の提供を求め、選択届出書を原告を代理して自ら提出し、あるいは、原告にその提出を促すまでの義務があったということはできない。

・本件で問題となっている消費税の取扱いは、事業者であれば、賃貸用ビルの建替え以前に、そもそも当該事業に伴い、消費税が課税される事業者であるのか、その課税を免れる小規模事業者であるのか、それまでの課税の有無からして、自らの消費税法にいう事業者その建替えに際しても、その後の採算性、事業展開を検討する過程で、税金対策として、当然に考慮に入れていたはずで、かつ、その程度の税務知識であれば、自らが免税事業者であることの認識があれば、専門家の指導・助言を求めるまでもなく、これを持ち合わせているのが一般的であって、被告から敢えて指導・助言を求めなければ分からないというような次元の問題ではない。

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以上です。

本件では、課税事業者か免税事業者かの判断は納税者が当然にできる、というニュアンスで判決が書かれていますが、裁判所が常にそのような判断をしてくれるわけではありません。

「課税事業者と免税事業者とどちらが有利かは、税務の専門的知識を有する税理士から助言を得なければ正確に判断できない」と判断される可能性もあります。

したがって、消費税法に大きく影響を与える事象を行う場合には、依頼者の方で、税理士に対して情報提供をする義務を負担させるよう契約書に記載しておく方が安全です。

なお、「税理士を守る会」にセットしている契約書では、当然その点も考慮して作成しています。

「税理士を守る会」は、こちら
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