税理士に告げなかった場合も重加算税取消 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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税理士に告げなかった場合も重加算税取消

2021年03月05日

今回は、重加算税の取消裁決をご紹介します。

平成30年10月2日裁決です。

相続財産である出資金の存在を知りながら相続税申告の際、税理士に告げなかったことが隠蔽又は仮装と言えるかどうかが論点となった事例です。

国側は、請求人が各共済契約について、

(1)関与税理士からの指示に基づき解約返戻金相当額等証明書を取得したこと

(2)被共済者等の名義を請求人に変更したこと、

(3)出資金については、払戻請求を行ったことなどの各手続等(本件手続等)を行ったにもかかわらず、本件税理士に各共済契約及び出資金の存在を一切伝えなかったこと

をもって、隠ぺい又は仮装の行為に該当する旨主張しました。

しかし、国税不服審判所は、

積極的な隠蔽又は仮装が存在しない場合の最高裁平成7年4月28日判決における規範である

「納税者が、当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解するのが相当である。」

とした上で、

●請求人が行った本件手続等は相続により財産を取得した相続人が通常行う手続と外形上何ら異なるものではないこと、

●上記各共済契約のうち満期共済契約の返戻金及び上記出資金の払戻金が相続財産として申告されている貯金の解約金の入金口座と同一の口座に入金されていること

からすれば、

請求人が本件税理士に各共済契約及び出資金の存在を一切伝えなかったとしても、請求人が当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づく過少申告をしたとは認められない。

と判断し、重加算税賦課決定処分を取り消しました。

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税務調査において相続財産が発見された場合において、相続人がその財産の存在を知りながら税理士に告げなかった、というような場合は、重加算税指摘を受けることが多いと思います。

しかし、税理士を告げなかった一事をもって隠蔽又は仮装にあたるわけではありません。

隠そうとする意図がうかがわれるような「行為」があるかどうか、また、隠そうとする意図と矛盾するような「行為」(たとえば質問に特に隠さず素直に回答するなど)があるかどうか、検討を要するものと考えます。

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