近時の重加算税取消裁決(過少申告とは別の隠蔽仮装) | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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近時の重加算税取消裁決(過少申告とは別の隠蔽仮装)

2020年12月25日

今回は、重加算税の取消裁決について解説します。

令和元年6月24日裁決です。

(事案)

●請求人は運送業を営んでいる。

●請求人は、従業員分の売上げやその費用の額の一部を事業所得の計算の起訴から除外して収支内訳書を作成した。

●課税庁が過少申告加算税、延滞税、重加算税に賦課決定処分をした。

(裁決)

●請求人は、従業員の売上げやその費用の額が本件事業に係る事業所得の金額の計算上売上金額又は必要経費の金額に算入されるべきことを認識しつつ、これらをあえてその集計計算から除くなどして本件各年分の売上金額及び必要経費の金額を算出し、その算出したところに基づいて本件各収支内訳書を作成の上、これに基づく本件各所得税等申告書を提出することで過少申告行為に及んだ

●各過少申告に至る過程で、請求人が架空名義の請求書を作成し、架空名義の本件各支払明細書を作成させ、あるいは、他人名義の預金口座に売上代金を入金させたというような事実は認められず、本件各支払明細書や領収証等の取引に関する書類を改ざんし、あるいは本件売上メモを作成し、又はこれらの書類を意図的に破棄・隠匿したなどの事実も認められない。

●請求人が本件各支払明細書や本件各預金通帳の全てを保存し、本件調査の際には、当初から売上金額の過少計上の事実を認めつつ、これらの書類を本件調査担当職員に提示していたという事情に鑑みると、当該行為をもって真実の所得解明に困難が伴う状況を作出するための隠蔽又は仮装の行為と評価することは困難である。

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以上です。

本件は、

●過少申告の意図があった

●過少申告の意図で売上等を一部除外して収支内訳書を作成した

というものですが、隠蔽仮装を認定しませんでした。

ポイントは、

●隠蔽仮装というためには、過少申告の意図とは別に「隠蔽仮装行為」が必要である

という点です。

判例としては、以下です。

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重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい、仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、隠ぺい、仮装と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要する(最高裁平成7年4月28日判決)

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本件のような事例で重加算税が賦課されていることが結構あるのではないか、と思いますが、その際は、

「過少申告の意図とは別の隠蔽仮装行為」があるかどうを精査することが重要だと思います。