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自己脱税で税理士懲戒処分

2020年12月12日

今回は、自己脱税をしたことを理由として懲戒処分を受けた税理士が、処分取消訴訟を提起した事案をご紹介します。

大阪地裁平成30年8月2日判決(Z999-2170)

(事案)

税理士業を営んでいた原告が、自己の所有する神戸市所在のマンションの一室及びその敷地利用権(所有権)の売却をしました。

原告は、これについて、租税特別措置法に基づく居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用があることを前提に、課税長期譲渡所得金額を0円として平成23年分の所得税の確定申告をしました。

本件申告について、財務大臣から、原告は本件マンションを主としてその居住の用に供していないにもかかわらず上記所得金額を不正に1511万0114円圧縮したなどとして、平成27年6月9日付けで業務停止3月の懲戒処分を受けたため、被告を相手に、本件処分の取消しを求めて主訴しました。

(税理士法の規定)

税理士法37条

税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

(裁判所の判断)

原告自身は仕事からの帰りが遅くなったときなどに、定期的に、本件マンションを利用して日常生活を送っていたということができ、一定の居住実態があったものと認められる。
妻は本件戸建を主たる生活の拠点とし、妻が本件マンションで寝起きすることは少なく、洗濯は本件戸建に洗濯物を持ち帰ってしていた。

電気・ガス・水道の使用量からも、マンションの利用は一定範囲に限定されていた。

原告は、税理士及び公認会計士の登録上の住所を本件戸建の所在地とし、年賀状の差出人の住所も運転免許証の住所も、本件戸建の住所としていた。

戸建て住宅とマンションとの間で住民票の移動を繰り返していたが、マンションに住民票を置いていた時期は、短期間である。

そうすると、原告は、神戸市の戸建住宅(本件戸建)を自らの主たる住居と認識し、本件戸建を日常的に利用して日常生活を送っていたものと認められる。

原告は、本件譲渡につき居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けるためには、本件マンションが主たる住居に該当しなければならないことを知りながら、本件マンションの所在地を住所とする住民票の写しを添付して神戸税務署長に提出し、本件確定申告を行った原告の行為は、信用失墜行為の一類型としての仮装行為による自己脱税と評価すべきである。

その結果、裁判所は、請求を棄却しました。
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隠ぺい又は仮装行為により、過少申告等をした場合には、重加算税が課せられます。

税理士であれば、当然にそのことは念頭に置いていると思います。

しかし、自己の税務申告にあたり、隠ぺい又は仮装行為を行い、過少申告等を行った場合には、税理士法37条の信用失墜行為に該当し、懲戒処分の対象となります。

また、業務において、故意又は過失により脱税相談等を行った場合は、税理士法45条で懲戒処分の対象となります。

十分注意したいところですね。