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税理士が記帳代行会社(会計法人)を設立する場合の注意点

2020年06月30日

記帳代行業務は、税理士独占ではないので(税理士法2条2項)、非税理士である会計法人が行うことも法律上許容されます。

税理士が記帳代行業務を行う会計法人を設立する場合、契約形態としては、次の2種類が考えられます。

(1)税務業務と記帳代行業務を一括して税理士事務所で受託し、会計法人に外注に出す契約

(2)税務業務は税理士事務所で受託、記帳代行業務は会計法人で受託する、というように契約を別にする場合

(1)の一括受託の場合

この場合、顧客との契約主体は税理士のみとなります。

会計法人に外注に出す場合には、次の点が問題となります。

・守秘義務

・複数事務所(会計法人が別の場所にある場合)

・従業員の管理監督

・会計法人(非税理士)による税務業務

そこで、日本税理士連合会業務対策部から、「税理士事務所等の内部規律及び内部管理体制に関する指針」が出されています。

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【参考】税理士が主宰する会計法人に対する外部委託において留意すべき事項

委託主である税理士が主宰する会計法人に対し、外部委託を行う場合は以下の点に留意すべきである。

・ 会計法人の業務及び従業員等の監督の観点から、主宰会計法人の代表者には主宰税理士自身が過半数を超える出資の割合をもって就任し、責任を負うべきである。

・ 効果的な監督の観点から、主宰会計法人の所在地は、税理士事務所等と同一場所とすべきである。同様の趣旨から、その法人の支店及び営業所は設置すべきではない。

・ 会計業務は主宰税理士が税理士業務とともに一括して契約したうえで、これを主宰会計法人へ委託する方式の採用を徹底すべきである。

・ 主宰税理士と主宰会計法人との委託契約上において、会計法人は税務一般の業務を絶対にしてはならないことを明らかにしたうえで、会計法人の業務は会計業務に限ることとし、税理士業務については、主宰税理士と顧問先との契約を明確にする。

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このほかに、顧客から、再委託の承諾をもらい、守秘義務を解除していただく必要もあります。

上記指針は、「本指針は、社会公共性の高い税理士業務の性格に鑑み、税理士の使命を全うするために必要な事項として、税理士事務所等の内部規律及び内部管理体制を適切に整備するための参考になることを目的に策定したものである。」とされ、あくまでも参考にとどまるものです。

上記指針に違反することが直ちに懲戒事由になるとは考えておりませんが、その結果として、

・守秘義務

・複数事務所

・従業員の管理監督

・会計法人(非税理士)による税務業務

に違反すると評価された場合には、懲戒事由に該当すると考えます。

しかし、私は上記指針と異なり、会計法人と顧客との別途契約方式も有効との考え方を採用しています。

税理士以外の者を代表者にすることも許されると考えます。

この点は、当該税理士が関与しない全くの第三者である記帳代行会社が記帳代行を受託している場合を考えていただければよろしいかと思います。

この契約形態の場合には、一括受託とは反対に、如何に税理士事務所と会計法人を区別するか、という点が重要になってくると思います。

気をつけるべき点が全く異なる、ということです。

次の点に注意する必要があります。

・同一事務所内に会計法人を設置する場合は、守秘義務の観点から物理的区分性が必要になってくる

・守秘義務、非税理士による税務業務の禁止、従業員の監督の観点から、税理士事務所従業員が会計法人の従業員を兼務しない

・税務業務と会計業務を明確に区別する

・税理士事務所と会計法人で直接情報のやりとりをするには、顧客から守秘義務を解除していただく必要がある

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このように、契約形態により、注意すべき点が全く異なってきますので、一度整理しておくことをおすすめしたいと思います。