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重加算税取消(国税不服審判所平成17年1月11日裁決)

2019年11月19日

今回は、国税不服審判所平成17年1月11日裁決をご紹介します。

売上計上漏れについて、重加算税を課せられたところ、それが取り消された事例です。

税目は、法人税。

事案としては、請求人が事務所の窓口で受領した売上代金等については入金帳に記載しているものの、入金(売上)伝票に記載せず、その結果、売上計上漏れが生じた、というものです。

【課税庁の主張】

請求人が本件売上げの代金を現金で受領しているにもかかわらず益金の額に算入しなかったこと及び調査担当職員に対して「小遣い程度の金額なので使ってしまったかもしれない」と申述したことから、「隠ぺい又は仮装」があったと主張しました。

国税不服審判所は、次のように判断して、重加算税を取り消しました。

【裁決の理由】

売上げに係る入金の事実を本件入金帳に記録したものの、本件売上げに係る入金(売上)伝票は起票されておらず、総勘定元帳にもその記録はなく、本件売上げに係る代金の行き先は不明である。

このように、本件売上げが請求人の所得金額の計算上益金の額に算入されることなく申告漏れとなった理由については、請求人の事務処理上のミスからであることも否定できず、請求人が積極的に本件売上げを所得金額から除外したと認定できる事実は認められない。

【ポイント】
隠ぺい又は仮装が認められるためには、「納税者が故意に課税標準又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装」することが必要とされており(最高裁昭和62年5月8日判決)、過失によって売上が除外された場合には、重加算税の賦課要件を満たしません。

本件では、「請求人の事務処理上のミスからであることも否定できず、請求人が積極的に本件売上げを所得金額から除外したと認定できる事実は認められない。」とされており、「故意」による隠ぺい又は仮装行為が否定されました。

このように、「故意」か「過失」かによって重加算税の課税要件を満たすかどうかが決まってくるケースがありますので、重加算税を課せられた場合には、課税庁の収集した証拠によって、「隠ぺい又は仮装の故意」が立証されているか(立証責任は課税庁)、を吟味することが大切だと思います。

重加算税について、もっと詳しく知りたい方は、こちら。

「税務のわかる弁護士が教える 税務調査における重加算税の回避ポイント」(ぎょうせい)
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