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重加算税の「隠ぺいし、又は仮装した」とは?

2019年08月12日

重加算税は、国税通則法68条に規定されています。

同条1項の重加算税の賦課要件は、

①過少申告加算税の賦課要件が満たされる場合に、
②納税者が
③国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、
④その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき
⑤納税申告書を提出したとき

と分解することができます。

ここでは、③の「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、」に関する事例を解説します。

国税通則法68条1項に規定する「‥‥の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ペいし、又は仮装し」たとは、最高裁判決により定義されてはいませんが、和歌山地裁昭和50年6月23日判決(TAINS Z082-3588)が、「不正手段による租税徴収権の侵害行為を意味し、「事実を隠ペい」するとは、事実を隠匿しあるいは脱漏することを、「事実を仮装」するとは、所得.財産あるいは取引上の名義を装う等事実を歪曲することをいい」いずれも行為の意味を認識しながら故意に行うことを要するものと解すべきである。」として以降、概ねこのように解されています。

また、大阪高裁平成3年4月24日判決(TAINS Z183-6701)は、「『隠ぺい・仮装』とは、租税を脱税する目的をもつて、故意に納税義務の発生原因である計算の基礎となる事実を隠匿し、又は、作為的に虚偽の事実を付加して、調査を妨げるなど納税義務の全部または一部を免れる行為を」いう、としています。

国税庁は、「課税処分に当たっての留意点」(平成25年4月 大阪国税局 法人課税課、TAINS H250400課税処分留意点178頁)において、「『隠蔽』とは、課税標準等又は税額の計算の基礎となる事実について、これを隠蔽し、あるいは故意に脱漏することをいい、また『仮装』とは、財産あるいは取引上の名義等に関し、あたかも、それが真実であるかのように装う等、故意に事実を歪曲することをいう(名古屋地裁昭和55年10月13日判決)」としています。

「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」では、次のような行為が隠ぺい仮装の具体例として挙げられています。

・二重帳簿の作成

・帳簿書類の隠匿、虚偽記載等

・特定の損金算入又は税額控除の要件とされる証明書その他の書類の改ざん、虚偽の申請書提出

・簿外資産の利息収入、賃貸料収入等の果実の不計上

・簿外資産による役員賞与その他の費用の支出

・同族会社を名義貸し等で非同族会社にすること

いずれにしても、単なる過少申告では重加算税賦課要件を満たしません。隠ぺい仮装行為が必要ということです。

この点、最高裁平成7年4月28日判決は、「重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい、仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、隠ぺい、仮装と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要する。」としています。

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