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弁護士法律解説 リーガルアイ

 

31歳年の差にストーカー規制法違反


2015年5月14日

今回は、かなり年上の女性を好きになりすぎて、ついには逮捕されてしまった男の話です。

男が犯した罪とは何だったのでしょうか?

「“好きで忘れられなかった”54歳女性に23歳男がストーカー行為で逮捕」(2015年5月12日 産経新聞)

兵庫県警生活安全企画課と県警豊岡南署は、元交際相手の女性(54)につきまとい、メールを連続して送りつけたなどとして、会社員の男(23)をストーカー規制法違反容疑で逮捕しました。

報道によると、男は3月6日~8日にかけて、女性から拒まれたにもかかわらず、「電話をください」などと36回ものメールを送りつけ、さらには4月17日午後2時半ごろ、被害者宅を監視するなどしたようです。

同署は被害女性から相談を受け、3月に警告を行いましたが4月になってもストーカー行為が続いたため、今回の逮捕となったとしています。

2人は、以前勤務していた会社の同僚で、男は「好きで忘れられなかった」と容疑を認めているということです。
年上の女性に憧れ、恋をする青年…そんな設定の小説や映画がありますが、現実世界ではストーカー行為は犯罪になります。
では、条文を見てみましょう。

「ストーカー規制法」
第2条(定義)
1.この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
「つきまとい行為」は、以下の8つが規定されています。
①待ち伏せ、尾行、および自宅や勤務先を見張り、押しかけること。
②行動を監視していると告げる行為。
③面会や交際、その他義務のないことを行うことの要求。
④著しく粗野、乱暴な言動。
⑤無言電話、連続した電話・FAX・メール。
⑥汚物・動物の死体等の送付。
⑦名誉を害する事項の告知。
⑧性的羞恥心を侵害する事項の告知、わいせつな写真・文章などの送付、公表。
どれもやられたら迷惑なものばかりで、被害者にとってはたまったものではありませんね。

以下に、この法律について簡単にまとめておきますので、この機会に「ストーカー規制法」について学んでいただきたいと思います。

・ストーカー規制法は、正式名称を「ストーカー行為等の規制等に関する法律」といいます。

・1999(平成11)年に起きた「桶川ストーカー殺人事件」をきっかけに、2000(平成12)年11月に制定された法律で、その後、2012(平成24)年に発生した「逗子ストーカー殺人事件」を受けて、2013(平成25)年6月に改正されました。

・ストーカー行為とは、つきまとい行為を同一の人に対して反復して行うことです。(第2条2項)

・上記①~④に関しては、「身体の安全、住居などの平穏、名誉が害され」、「行動の自由が著しく害され不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」とされています。(第2条2項)

・上記のストーカー行為をした者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。(第13条)

・ストーカー行為は「親告罪」です。
親告罪とは、被害者が告訴(捜査機関に対し犯罪を申告して処罰を求めること)しなければ公訴できない犯罪のことです。

・警察は、行為者に対して警告書によって警告ができます。(第4条)
警告に従わない場合、都道府県公安委員会は禁止命令を出すことができます。(第5条)
この命令に従わない場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。(第14条)

・女性だけでなく、男性も保護の対象となっています。

上記にあてはまる行為を受けている方も多いのではないでしょうか。

せっかくの一度の人生、他人からのつきまとい行為により、ビクビクしながら生きるのはもったいないですね。

「警察に申告するのがこわい」

という人もいますが、むしろ、そのまま行動がエスカレートする方が、もっと怖い目にあうと思います。

勇気を出して、警察に被害を申告するようにしましょう。

ご相談は、こちらから。
http://www.bengoshi-sos.com/about/0903/

SNSでのストーカー行為は犯罪にならない!?


2014年3月31日




近年、無料通信アプリの「LINE(ライン)」が人気です。昨年の11月末には、「世界で利用者数が3億人を突破」という報道がありました。

確かに、通信キャリアや端末が違う人同士が複数人のグループで通話やチャットができるのは便利だし、パケット通信料の定額サービスなどに加入していれば通話料金もかからず無制限に使えるのも魅力です。

しかし、気軽にコミュニケーションが取れることからの反動で犯罪に使われる危険性が指摘され、小学生を含めた未成年の使用についても社会的に問題になってきています。

これは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)全般に言えることですが、法律的な側面から見ていくと、まだまだ抜け穴が多く、さまざまな問題が起こっています。

「ストーカー行為:“また男か”…規制できぬSNS」(2014年3月25日 毎日新聞)

新聞報道によると、LINEなどのSNSを使ったメッセージの連続送信などの「ストーカー行為」や「つきまとい行為」は法規制の対象外であるため摘発できず、捜査の現場から「法が社会の実態に追いついていない」との声が上がっていると伝えています。

今年2月、警視庁田無署は無職の男(26)が携帯電話から元交際相手の女性(23)に計2日間に、それぞれ1,589件と1,660件ものメッセージを送信したということです。

女性からの110番を受けた同署は、まず女性の携帯電話の履歴から男が、「また男か」「シカト?」などの文言をLINEで繰り返し送信していたことを確認。

しかし、文言には法で禁じている「つきまとい行為」に明確に該当するものが見当たらなかったことから、最終的には男が女性の頭を携帯電話で殴ったなどとする事案に着目し、暴行容疑で逮捕したということです。

ところで、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(通称、ストーカー規制法)というものがあるのをご存じでしょうか?

これは、1999(平成11)年に起きた「桶川ストーカー殺人事件」をきっかけに制定された法律で、「つきまとい行為」と「ストーカー行為」について以下のように定義しています。

第2条(定義)
1.この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

①待ち伏せ、尾行、および自宅や勤務先を見張り、押しかけること。
②行動を監視していると告げる行為
③面会や交際、その他義務のないことを行うことの要求
④著しく粗野、乱暴な言動
⑤無言電話、連続した電話・FAX・電子メール
⑥汚物・動物の死体等の送付
⑦名誉を害する事項の告知
⑧性的羞恥心を侵害する事項の告知、わいせつな写真・文章などの送付、公表

上記の行為を反復して行う時、ストーカー行為となります。

どれも、されたら嫌なものばかりですが、①~④に関しては「身体の安全、住居などの平穏、名誉が害され」「行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」とされています。

ちなみに、ストーカー行為は親告罪(被害者の告訴があってはじめて起訴できる)で、罰則は6ヵ月以下の懲役、または50万円以下の罰金です。

ところで、⑤には2013年の法改正により電子メールが追加で規定されることになりましたが、LINEやツイッターなどのSNSは依然として対象外となっていて、ここが問題視され始めているということです。

つまり、今回の事件のように他の容疑が適用できればいいのですが、そうではない場合、被害者は危険にさらされ続ける可能性があるわけです。

SNSがこれほど普及した時代には、これは大きな問題でしょう。

若者世代では、電子メールで連絡と取り合うより、LINEで連絡を取り合うことの方が多いのではないでしょうか。

「時代の流れに合っていない」「法が社会の実態に追いついていない」という声が上がるのも当然のことです。

折しも先日、神奈川県では県の「迷惑行為防止条例」において、執拗なメールとSNS上のメッセージを、「つきまといなどの禁止」の対象に加える改正案が全会一致で可決されました。

「SNSも“つきまとい” 迷惑行為防止の県条例改正案を可決」
(2014年3月25日 神奈川新聞)
報道によれば、神奈川県の迷惑行為防止条例には、現行の「待ち伏せや押し掛けなどの直接的な行為」と「連続した電話やファクス」に、今回「メールとSNSのメッセージの複数回にわたる送信」を追加。さらに、「改正ストーカー規制法」では、つきまといを恋愛感情などに基づく行為と規定しているところを、前提を設けず、柔軟に対応できるようにしたということです。
「逗子ストーカー殺人事件」は神奈川県で起きたわけですから、県として規制の強化にいち早く着手したのは評価できる対応でしょう。

国も法改正に向けて、早急に動くべきだと思います。

各省庁が、特にインターネットの技術革新や進歩に合わせて法改正を迅速に検討する専門職員を配置することを検討してもよいのではないでしょうか。

たとえば、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」や「特定商取引法」などの規制に、SNSを盛り込んだ方が良いかどうか、この機会に検討されてもよいように思います。

技術の革新や進歩が起これば、同時に問題、弊害が起こるというのは世の常、ともいえます。

最近、話題になったビットコインの問題などもそうですが、時代の変化に合わせて、法律もまた変化、進化していくものです。

我われ弁護士も絶えず進化、進歩していくために、日々勉強、努力して、法を社会の隅々にまで浸透させていかなければならないと感じています。

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