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アイドルたちが書類送検!路上ライブは犯罪!?


2014年10月13日

1957年に出版された、アメリカ人作家ジャック・ケルアックの小説『路上』(原題:On the Road)は、ヒッピーたちから熱狂的に支持され、音楽や文学など、いわゆるカウンターカルチャーに大きな影響を与えたといわれています。

主人公たちがアメリカ大陸を自由に放浪する様子は、当時の若者たちのあこがれでもあったのでしょう。

路上が若者文化の発信場所のひとつなのは古今東西変わらず、日本でも1980年代初頭、原宿の歩行者天国(ホコ天)で「竹の子族」と呼ばれる若者たちが派手な衣装に身を包みステップを踏んで踊ることが大きなブームになりました。

現代の日本でも、駅前や公園などで路上パフォーマンスをする若者たちがいますね。
売れないアーティストやアイドルたちの中には、お金をかけずに自分たちのパフォーマンスを見てもらう手段ということで、路上ライブを積極的に行う人たちもいます。

ところで先日、そんな路上ライブで10人が書類送検されるという事件が起きました。

一体、彼らはどんな犯罪行為をしてしまったのでしょうか?

「新宿駅前で無許可ライブ容疑、アイドルら10人書類送検」(2014年10月8日 朝日新聞デジタル)

警視庁新宿署は8日、新宿駅前の路上でライブを無許可で行ったとして、関西を拠点とする女性アイドルグループの18歳~26歳のメンバー7人と、ものまねタレントの男2人、グループの責任者の男(24)の計10人を道路交通法違反(道路の不正使用)の疑いで書類送検しました。

報道によると、このアイドルグループはこれまでにも9回、無許可でライブを開いて客を集め、CDを販売するなどして道路を不正に使用した疑いがあり、新宿署はライブの度に注意し、グループは2度と行わないとする誓約書を毎回書いていたとしています。

今年に入り、新宿駅周辺での路上ライブに関する苦情が545件寄せられていることから、同署は取り締まりを強化したようです。
さて、道路と交通に関する法律に「道路交通法」があります。

1960年に施行された同法は、第1条に次のように規定しています。

「道路交通法」
第1条(目的)
この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。
今回の違反容疑は、道路の不正使用です。条文を見てみましょう。

第77条(道路の使用の許可)
1.次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長の許可を受けなければならない。
警察署長の許可が必要な行為には以下のようなものがあります。

〇道路での工事や作業
〇道路での石碑や銅像、広告などの設置
〇道路での露店や屋台などの出店
〇一般交通に著しい影響を及ぼすような使用行為(祭礼行事、ロケーシヨン等)
〇道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為

これらに違反した者は、3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金です。

また、各都道府県には「道路交通規則」というものがあります。
東京都の道路交通規則にも許可が必要な行為が細かく定められています。

〇祭礼行事、記念行事、式典、競技会、仮装行列、パレード、街頭行進など
〇旗、のぼり、看板、あんどんなどを持って楽器を鳴らし、又は特異な装いをして、広告又は宣伝をすること
〇車両等に広告又は宣伝のため著しく人目をひくように、装飾その他の装いをして通行すること
〇ロケーション、撮影会その他これらに類する行為
〇拡声器、ラジオ、テレビ、映写機等を備え付けた車両等により、放送又は映写をすること
〇演説、演芸、奏楽、放送、映写その他の方法により、道路に人寄せをすること
〇消防、水防、避難、救護その他の訓練を行なうこと
〇交通の頻繁な道路で寄附を募集し、若しくは署名を求め、又は物を販売若しくは交付すること
〇ロボットの移動を伴う実証実験又は人の移動の用に供するロボットの実証実験をすること

路上ライブやパフォーマンスは、許可を取っていなければ犯罪になる可能性があるということです。

ちなみに以前、道路でやってはいけない行為について解説しました。

詳しい解説はこちら⇒「走行中の車からポイ捨てすると犯罪!?」
http://taniharamakoto.com/archives/1323

若さと、その情熱から自己表現をしたい気持ちはよくわかります。

警察も、そのためにいきなり逮捕するのではなく、9回も注意し、反省を促してきていました。

日本は法治国家です。

売れるようになりたい気持ちはわかりますが、あくまで法律の範囲内で工夫し、努力をしていかなければなりません。

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