ブログ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 64
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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  • メルマガ創刊号

    2004年11月18日

    まぐまぐで送信したメールマガジン創刊号を掲載します。

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    ~弁護士と議論術~
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     弁護士の谷原誠です。私が弁護士になったのは25歳の時で現在弁護士11年目です。25歳で弁護士になったときは、相手の弁護士にはナメられるわ、依頼者には不安がられるわ、で、大変苦労しました。そこで、私は、ナメられないため、議論術の研究をしました。「実力で勝てば問題ないだろう!」という思いからです。

    弁護士法の第1条は、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」と謳っています。弁護士は、カネばかり追いかけていてはいけないということです。

     しかし、本当のことを言うと、特に民事の裁判というのは真実を発見する場ではなく、正義が実現されるとは限りません。原告と被告とが、自分の権利を守るため、あるいは自分に利益があるように、有利な証拠のみを提出し、有利な証言をします。残念なことではありますが、裁判を行ったからといって必ずしも真実が明らかになるわけではないのです。

    私たち弁護士は、知識の限りを尽くし、またこれまでに培った議論術を総動員して、依頼者の利益を最大限に達成するために戦っています。議論で負けているようでは、依頼人の利益は確保できません。サムライに例えると、弁護士にとっては、言葉とペンが刀であり、議論術が剣術に相当するものです。したがって、常に議論術(剣術)を磨いていなければ一流の弁護士にはなり得ないのです。

    私は現在も議論術を研究し、駆使して相手方弁護士と日々戦っています。私は、30歳の時に、「他人を意のままにあやつる方法」(KKベストセラーズ)を著しました。ここでも一部議論術に触れています。しかし、その後も議論の研究は進んでいます。

    そこで、私がこれまでに蓄積した議論術の成果を今度はメールマガジンで発表していきたいと思います。この議論術をマスターすれば、弁護士と互角に議論ができるでしょう。

    議論に負けないテクニックは誰もが身に付けておく必要があります。例えば、あなたが道を歩いていて、ヤクザ風の男に「何ジロジロ見てんだ!イチャモンつけてんのかっ!」とインネンをつけられたら、どうしますか?うまく切り抜けることができますか?

    「いえ、イチャモンなんかつけてません。」と答えますか?そんなことを言うと「じゃあ、なんだ!俺の顔になんかついてんのかっ!」と追い込まれ、「ついてません。」と答えると、「じゃあ、てめえ、なんだんだっ!俺に喧嘩売ってんのかっ!上等じゃねえか!」と追い込まれていきます。

    ここで、「いえ、喧嘩なんか売ってません。すみませんでした。」と謝るとどうなるか。「てめえ、俺の足を止めさえておいて、そんな詫び方で済むと思ってんのかっ!」と、更にどんどんと追い込まれていき、迷惑料まで取られかねません。

    しかし、このような場面も、議論のテクニックを身につけると、追い込まれずに済むようになります。(ただし、議論に勝ってしまうので、殴られないように気をつけてください。)

    次回から、具体的な議論のテクニックを展開する予定です。
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    交通事故SOS~保険会社の言いなりになるな~
    交通事故被害者のためのホームページ
    http://homepage2.nifty.com/jiko/

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    みらい総合法律事務所
    発行者がパートナーとして共同経営している法律事務所
    http://www.mirailaw.jp/

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    ■発行者 谷原誠(マガジンID:0000143169)
    ■連絡先 ≫ makoto-t@cam.hi-ho.ne.jp
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  • 破産と交通事故の謝罪について

    2004年11月17日

    私が破産管財人をしている破産事件で、債権者集会がありました。東京地裁の破産管財事件では、破産宣告の後、3ヶ月くらいで債権者集会を開きます。出席者は、裁判官、破産管財人、破産者、破産者代理人弁護士、債権者です。

    集会では、破産管財人が破産宣告後に行った職務、破産者の財産をどのように処分して財団を形成したか、その他特に説明すべき事項について報告をします。その後質疑応答等があって、届出債権についての認否をし、配当について説明が行われます。

    破産手続については、かなり認知されてきておりますので、騒ぎになることはほとんどありませんが、たまには怒号があったり、泣き崩れる人がいたり、等のドラマもあります。

    債権者としては、もちろん債権を回収できないことが一番悔しいところですが、怒りの発生源としては「謝罪の一言もない」という点が多いようです。弁護士に任せてしまって、謝らない人が多いのです。破産すると、債務のほとんどを踏み倒してしまうことになりますから、一言謝罪してまわるくらいのことはしても良いのではないか、と思います。

    破産は、支払う約束を反故にすることです。約束を破ったときに謝るという普通のことができれば、破産手続もずっとやりやすくなります。法的手続と謝罪問題は別問題です。

    交通事故でも同じです。加害者は、保険会社に任せてしまって謝罪をしない人がいますが、それが被害者の怒りを増幅させ、示談を困難にします。賠償問題と謝罪の問題は別問題なのですが、怒りは理性的判断を阻害します。怒りのために賠償問題と謝罪問題を分けることができなくなるのです。謝罪により賠償金額がそれほど変わるわけではありませんが、本来なら示談で終わるケースも最後までとことん争ったりします。加害者としては、怒りをぶつけられますから、謝罪しにくいのでしょうが、加害者が誠意をもって謝罪していれば、ずっと示談もしやすくなります。それが、加害者、被害者双方のためになるのではないか、と思います。

  • 運転中の携帯使用

    2004年11月16日

    平成16年11月1日付で施行された改正道路交通法で、車に乗車中は、停止しているときをのぞき、携帯電話を手に持って通話のために使用したり、画面を注視したりする行為が禁止されました。罰金は5万円以下です。

    上記施行された11月の1ヶ月の検挙件数は同月だけで2万822件に上ったそうです。すごい数ですね。確かに今も道行く自動車を見ていると、運転しながら携帯を手に持って通話している人を見かけます。

    以下大丈夫な場合を列挙します。

    (1)ハンズフリー通話

    (2)メールを送るのは、ブラインドタッチで文章を作り、画面を注視しなければ大丈夫です(そんな人がいるでしょうか?)。

    (3)車を道ばたに寄せて完全に停止しての通話は大丈夫です。

    微妙な場合

    赤信号で停止している場合。法律の条文では、「停止している場合をのぞき」となっており、赤信号で停止している場合でも、「停止」しているのにかわりはなく、青信号に変わって動き出すまでに通話等を終了すれば危険性も高くないため、違反にならないはずです。しかし、警視庁の広報見解では、この場合も法律違反にあたるとのことです。したがって、やはり赤信号の停止中も携帯電話の使用は控えた方が良いでしょう。

    私は交通事故事件も多く手がけておりますが、交通事故は過失によって突然起こることから、加害者も被害者も悲惨です。人生が狂ってしまいます。事故を起こさないためにも、運転中の携帯電話の使用は控えたいものです。

  • 根保証契約に民法改正

    2004年11月14日

     第161回国会(臨時会)で、民法の一部を改正する法律が可決しました。平成16年12月1日から6ヶ月を超えない範囲で施行されます。概要としては、以下のとおりです。
    (1)極度額(限度額)の定めをしなければならない(今までは無制限)
    (2)元本確定期日(期間)は最長5年間(今までは無制限)
    (3)主債務者破産等の場合の元本確定
    (4)全ての保証契約は、書面を作成しなければ無効
       (根保証契約に限りません)
     
    銀行や金融機関で会社が融資を受ける際には、代表者や代表者から頼まれた第三者が個人保証をさせられますが、これまでは保証の限度がない包括根保証も有効とされており、批判が強かったため、法律が改正されました。しかし、期限毎、融資実行毎の更新・再契約は可能となります。金融機関は、融資の返済期日を元本確定期日に合わせ、融資切替と保証契約をセットにして迫ってくるでしょう。そうすると、その時点で全額返済できない中小企業の場合、やはり少なくとも代表者はも保証契約を更新せざるを得ません。したがって、若干の進歩にとどまっているという感じがします。
     
    第三者保証人は心を鬼にして拒否することができますから、その限度では保証人の救済にはなります。
     
    文書以外の保証契約無効については、口頭の保証契約がなくなったことは、無用の紛争防止に役立つと思います。「保証すると言ったじゃないか!」が通用しなくなるからです。
     
    いずれにしても、強者をくじく劇的な法律はできないものです。 

  • 訴訟の準備

    2004年11月12日

    今日は事務所で準備書面を書いています。「準備書面」というのは、民事訴訟において、訴状と答弁書をやり取りした後に、法律上の主張及び事実に関する主張をするための書面です。

    もう2年間も継続している訴訟なので、記録が膨大になっており、読むだけでも骨が折れます。

    平日は、訴訟や会議、電話等の対応でまとまった時間が取れないため、集中して書面を書くのは週末になってしまいます。

    今のところ、他の弁護士は誰も来ていませんが、そのうち誰か来るでしょう。

    頑張ります。

  • 任意売却

    2004年11月11日

    昨日は不動産の任意売却の決済がありました。
    任意売却というのは、土地や建物に銀行等のローンの担保がついている場合で、ローンの支払ができなくなって競売になる前に、自分で不動産を売却してローンを返済する方法です。
    競売になると、市場価格よりだいぶ低い値段で売られてしまいますが、任意売却だと、ある程度いい値段で売れるため、債務者としては、それだけローンを圧縮することができ、銀行側も、競売の場合よりも多額の債権を早期に回収できるため、よく行われています。しかし、たいていはローン全額の返済はできず、債権が事実上残ることになります。
    昨日は、複数の関係者、複数の不動産を一括して処理しましたので、関係者が20人くらい集まって決済を行いました。私が債務者の代理人となって、全ての担保権者と話をつけ、一堂に集まって同時決済をし、担保の抹消書類と引き換えにローンの支払をすることになります。
    疲れました。任意売却案件がありましたら、是非どうぞ。

  • 未払賃金立替制度

    2004年11月07日

    破産した会社の破産管財人をやっていて、倒産のために未払いになってしまっている未払賃金の立替制度の手続で忙しくしています。給与生活者は、毎月給料日に給料が出ないなどということは信じがたいことだと思いますが、会社が倒産するときは、給料はおろか、退職金もないのがほとんどです。しかし、そのようなことになると、住宅ローンは払えなくなるし、サラ金の支払は滞るし、生活費にも事欠く結果となってしまいます。


    そこで、労働者健康福祉機構(旧労働福祉事業団)が、倒産により、会社から給料の支払が受けられなかった人のために、未払賃金の80%ほどを立て替えて支払ってくれる制度があります。申請用紙は労働基準監督署に備え付けてあるのですが、これには、倒産会社の未払賃金の証明書が必要となります。しかし、破産した会社は、そのような証明書を発行することができないため、裁判所から選任された破産管財人が証明書を発行するのです。


    今回は従業員が数十人規模ですが、数百人規模になると大変です。一人一人全てチェックしなければならないからです。しかし、労働者の場合には、すぐにも生活費に直結してきますので、なるべく急ぎで処理しています。


    この未払賃金立替制度は、だいぶ認知されてきましたが、知っているのと知らないのとでは、ずいぶんと違ってきます。自分の会社もいつ倒産するかもしれませんから、是非知識としては知っておきましょう。

  • 献血できず

    2004年11月07日

    明治大学のOBで組織される奉仕団体の献血活動に行ってきました。明治大学のリバティータワー前で、日本赤十字社の献血車を停め、献血の勧誘を行ったのです。今日1日で約80名くらいの受付がありました。私も献血しようとしましたが、熱があること、風邪薬を飲んでいたこと、から、献血できませんでした。残念。しかし、熱があるのに献血をしようとした心意気を酌んでいただき、献血グッズをいただきました。


    1年に2回ほど献血活動がありますので、その間、献血をする人を見ていると、男性より女性の方が多いと感じました。他人に対する奉仕的な愛は女性の方が高いということでしょうか。また、男性よりも女性の方が、血を出すことに対する恐怖心が低いようです。


    今日は献血で午後をつぶしてしまったため、今は事務所に戻ってきて書類作成に追われています。

  • 座頭市

    2004年11月04日

    昨日、北野武監督の「座頭市」をDVDで観ました。これまで北野監督というと、画面の中の構図や配色、つまり視覚的な美しさがすばらしいと感じておりました。


    しかし、今回は、音の使い方に新境地を開いているという印象を受けました。これは、制作過程で、座頭市の世界に入り込んでいったとき、座頭市が盲目であったことから、自然に音に着目したのではないか、と感じました。この座頭市の世界に入ってゆく思考方法は、最後の方で、カメラが座頭市の視線で使われていることからもうかがわれます。


    勝新太郎さんの座頭市があまりにも有名で定着していたため、かなり苦労されたことと思います。


    ちなみに、この他人の世界に入ってゆく思考方法は、弁護士も使います。過去の事実は一つですが、依頼者の立場で見たら、事実はどのように見えるのか、相手方の立場で見たら、事実はどのように見えるのか、を検討し、戦略を練ったりします。


    トマス・ハリスの「レッド・ドラゴン」のグレアム刑事の捜査手法も、犯人の世界に入り込んで事件を眺めることによってプロファイリングしてゆくものです。


    これまでの自分の経験と偏見が邪魔をして、なかなかできることではないのですが、何をするにしても、きわめて有効な手法だと思います。


     

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    2004年11月01日

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