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重加算税で押さえておくべき最高裁判決6選

2019年08月11日

今回は、重加算税で押さえておくべき最高裁判決をご紹介しておきます。

重加算税賦課要件は、国税通則法68条に規定されています。その1項は、次のような規定です。

「第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額・・・に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。」

条文上の要件を分解すると、以下のようになります。

①過少申告加算税の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)

②納税者が

③その国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、

④隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していた

以上の要件を満たすと、効果として、隠ぺい又は仮装した部分に相当する税額につき、過少申告加算税に代えて、35%の割合を乗じた重加算税が課せられます。

重加算税が賦課された際には、当該重加算税賦課決定が適法になされたのか、あるいは違法なのか、について判断しなければなりませんが、そのためには、重加算税に関して出されている最高裁判決を押さえておく必要があります。

そこで、重加算税に関して押さえておくべき最高裁判決6選をご紹介します。

【ルール1】 隠ぺい又は仮装行為と過少申告行為との関係

重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい、仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、隠ぺい、仮装と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要する(最高裁平成7年4月28日判決)

【ルール2】 つまみ申告について

(1)各確定申告の時点において、真実の所得金額を隠ぺいしようという確定的な意図を持っており

(2)必要に応じ事後的にも隠ぺいのための具体的工作を行うことも予定して、

(3)会計帳簿類から明らかに算出し得る所得金額の大部分を脱漏し、所得金額を殊更過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出した

というような事情が認められる場合には、重加算税の賦課要件を満たすことになる(最高裁平成6年11月22日判決)。

【ルール3】 納税者自身の積極的な行為がない場合

納税者が、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の右賦課要件が満たされる(最高裁平成7年4月28日判決)。

【ルール4】 税理士が隠ぺい又は仮装行為をした場合

納税者と税理士との間に事実を隠ぺいし、又は仮装することについて意思の連絡があったと認められる場合には、賦課要件を満たすことになる(最高裁平成17年1月17日判決)。

【ルール5】税理士が納税者に無断で隠ぺい又は仮装行為をした場合

以下の場合には、隠ぺい仮装行為を納税者本人の行為と同視できるとして、重加算税の賦課要件を満たす、ということになる(最高裁平成18年4月20日判決)

(1)納税者において当該税理士が隠ぺい仮装行為を行うこと若しくは行ったことを認識し、又は容易に認識することができたこと

(2)法定申告期限までにその是正や過少申告防止の措置を講ずることができたこと

(3)納税者においてこれを防止せずに隠ぺい仮装行為が行われたこと

(4)に基づいて過少申告がされたこと

【ルール6】 過少申告の認識

納税者が故意に課税標準又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺい、仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に、申告に際し、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではない(最高裁昭和62年5月8日判決)。

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