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ご近所トラブル(タバコ編)

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2016年9月24日

今回は、喫煙にまつわる隣人トラブルについて解説します。

Q)マンションの隣の住人がベランダでタバコを吸っています。風向きによっては私の部屋に煙が流れ込んできます。私はタバコの煙は大嫌いですし、受動喫煙で健康被害を受けることが心配でなりません。どのように対応すればいいでしょうか?(埼玉県 54歳/主婦)

A)タバコの喫煙が犯罪になるということはありませんが、過去にはマンションのベランダでの喫煙に対して慰謝料の支払いを命じた民事裁判での判決があります。

今回の質問者の方が抱えているのは、「臭い」と「健康問題」に関する隣人トラブルということになるでしょう。

以前は、室内での喫煙を家族に嫌がられたり、家族の健康のためにベランダで一人タバコを吸う人たちが「ホタル族」と呼ばれたことがありました。
夜のマンションのベランダでタバコの火が光っていることから、こう名付けられたわけです。

実際のホタルは清らかな水のある場所でしか生息できないため、年々、生息場所がなくなってきており、ホタルの生息場所はかなり少なくなってきています。

そして近年では、人々の健康志向やタバコの煙による受動喫煙の害が広く知られるようになったことで、ホタル族たちの生息場所も限定されつつあるようです。

2012年12月には、名古屋市の女性(当時74歳)がマンションの下の階に住む男性(当時61歳)がベランダで吸うタバコの煙で体調を崩したとして、150万円の損害賠償を求めた裁判の判決がありました。

判決によると、女性はマンションの5階に、男性は4階に住んでおり、男性は家族がいるときはベランダでタバコを吸っていたところ、女性にはぜんそくの持病があり、下の階から流れてくるタバコの煙をストレスに感じたことで、帯状疱疹を発症したということです。

女性は、扇風機や空気清浄機を使用しても煙が気になり、手紙や電話で喫煙をやめるように求めたが男性が応じなかったため提訴。

一方、男性側は、女性の体調悪化とタバコの煙の因果関係は認められない、ベランダでの喫煙はマンションの規則で禁止されていない、喫煙しながら景色を眺める楽しさや私生活の自由などをあげて、違法性はないと主張していたようです。

判決では、マンションの川に面した景色のよさから、女性がタバコの煙を防ぐために日常的に窓を閉め切るような環境ではないとして、男性が他の居住者に著しい不利益を与えながら防止策をとらないことは不法行為に当たると認め、精神的な損害の慰謝料として5万円の支払いを命じています。
一般的なマンションの場合、ベランダは日常的には住人の専用使用が認められているので、マンションの利用規約に特別な規定がない限り、自由に使うことができます。

ただし、緊急の災害時にはベランダを通って避難ができるため、マンションやその住民全体の共用部分とされています。

では、今回のようなマンションのベランダでの喫煙による隣人トラブルでは、どのように対処したらいいのでしょうか。
以下に、まとめてみます。

・まずは管理会社や管理組合に相談して、第三者から相手に伝えてもらう。
・同時に、管理規約や賃貸借契約書の迷惑行為の禁止条項なども確認しておく。
・また、タバコを吸っている住人の部屋の両隣や上下階の住人が、どう感じているのかも調査しておく。

それでも相手が対応しないようであれば、今回のように弁護士に相談するのもひとつの選択肢です。

まずは、「内容証明郵便」を送り、それでも効果がなければ、最後は損害賠償請求の民事訴訟ということになります。

その際、法的に重要になってくるのが「受忍限度」です。

受忍限度とは、一般の人が社会生活上、我慢すべき限度のことで、たとえば騒音の場合では、その内容や大きさ、時間帯、継続性などさまざまな要素から判断されます。

社会では、多くの人が生活しています。
そのため、ある程度のことはお互いが我慢せざるを得ないということもあります。
しかし、一般の人からみても我慢できないような場合では、法が介入するわけです。

今回のタバコの煙による害の場合、帯状疱疹を発症したりしたことから、受忍限度を超えた、と判断されたものでしょう。

自分が好きなことが、他人にも当然に受け入れられるというわけではありません。

自分の行動が他人に不快感を与えている時は、自分が我慢するのではなく、他人が我慢するのではない、創造的な案を考えつかないか、検討することから始めましょう。

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